ニャンコ希望が丘

ACTIVITY

目的は譲渡と啓発活動です

 
ニャンコ希望が丘 第一種動物取扱業(大分市)第821001号
にゃんむすび

~理想の地域未来~命を守る

2019年8月31日(土)の大分合同新聞朝刊記事におきまして、「開設半年のおおいた動物愛護センターに猫の持ち込み想定以上。譲渡追い付かずに約1700匹の保護猫のうち、1年間に1356匹にあたる約8割を殺処分。命守るため繁殖防いで。」と掲載されていました。

私たちも事業の傍ら、これまで出来る範囲でネコの活動をしてきました。しかし、自分たちの出来る事には限界があり、すべてのネコたちをカバーすることは難しいと感じています。この事業や施設を通して出来る事は、現在飼育しているホームやハウスに居るネコたちのこれからを支えることはもとより、これから関わってくださる皆さまと「ネコ」のことを共に考え、一匹でも多くの命を守っていくための具体的な方法を共有し、“責任ある飼育・譲渡”を真剣に考え、体現していくことだと思っています。 どうか皆さまのご指導と温かい応援の程、よろしくお願い致します。

表紙+41頁:価格1,300円(税込)送料別

※この本の売上の一部(収益)は全て飼育や啓発活動等のネコの活動にあてさせていただきます。

ネコの放棄を防ぐために

現在、都道府県などにある動物愛護センターが中心になって、飼い主が手放したネコ、所有者が分からないペットを引き取っています。その後、民間の動物保護団体や家庭に譲渡することで、センターでの殺処分ゼロや、それに近い数字を達成した自治体もあります。 しかし、センターの動物全てについて、動物保護団体や家庭で譲り受け、飼育できるわけではありません。だからこそ、飼い主のいないネコを生み出さないことが最も重要であると考えます。その点において、飼い主の「高齢化」や「生活困窮」に対応するということは、今日の日本における社会全体の問題であります。 病気で入院したり、福祉施設に入ったりする際に、また、失業などで経済的に困窮した場合に、ペットを捨てざるを得ない人たちが多いという現実があります。それらを避けるための仕組み作りは急務です。さらに、地域ごとに、獣医師などがペットの緊急保護や飼い主探しなどを担えるようにする必要もあります。この取り組みが真の殺処分ゼロにつながると信じています。

今までも、そして、これからも私たちを応援していただける動物病院様

ひがし動物病院

【院長あいさつ】

皆さんが大切な家族として迎えられているネコたち。ずっと一緒に暮らしていて、いつも元気でいてくれる風景が当たり前になっているけれど、いつしか“いのち”は尽きるもの。だからこそ一日でも長く、健やかな毎日が続くよう、予防できることはしっかりしてあげて欲しいと願うのです。
地域獣医師として、グループホームおおす和み内「ニャンコおおす」とのお付き合いは2015年12月21日から。
今日までその献身的なネコの活動を目にし、たくさんのネコたちを診てきました。そして、さらに啓発活動に特化した「ニャンコ希望が丘」が建設されるということで、一匹でも多くのネコたちが幸せになること、利用者さんをはじめとする地域の皆さんに対しても、ネコたちから元気をもらえる『セラピーキャット』の役割が果たせるように、これからもネコたちの健康を見守っていきたいと思っています。

  • 住 所

    大分市大字勢家新川西4-1-103

  • 電話番号

    097-558-4832

  • 診療時間

    月〜土 9:30〜19:00

  • 休診日

    日・祝

くまさきアニマルクリニック

【院長あいさつ】

こんにちは。獣医師の幸と申します。
動物を家族に迎えると、家族での会話が増えたり、日々の疲れから癒されたり、動物との暮らしには多くの魅力があります。動物と飼い主の信頼関係は言葉を介さずとも絆を生み、心を豊かにしてくれます。動物との暮らしを経験したことがある人は、みなさん実感するところではないでしょうか。一方で、動物も生きていくなかで、感染症予防のために定期的なワクチン接種が必要だったり、人間と同じように高齢ゆえの疾患が出てきたり、医療が必要になる場面があります。(特にネコさんでは腎泌尿器疾患や心疾患がよく見られます。)
獣医師として、動物の生まれたばかりの乳児期から、若齢期・シニア期に至るまでの全ライフステージを、家族である動物と飼い主さんの心に寄り添う医療で支え、「ニャンコ希望が丘」の活動を応援していくとともに、微力ながら一助になれればと思います。

  • 住 所

    大分市千代町4丁目-5 堀川ビル

  • 電話番号

    097-576-7080

  • 診療時間

    月〜土 9:00〜19:00

  • 休診日

    水・日・祝午後

出会って家族になったネコたち

〜今ではとても大きくなって幸せに暮らしています〜

ニャンコおおす

グループ会社・一般社団法人 SWライフのグループホーム敷地内にあるハウスです。グループホームの利用者様と共に暮らし、お世話をしています。

白血病の愛猫「トラ」を看取り今想うこと

~令和元年5月3日  最後の様子をここに記す。~
今、横たわって静かに息をしている雄ネコのトラ。しかし手をギュッと握ると、弱々しいながら、かろうじて握り返したり、大好きな鼻タッチをすると、グイッと頭をこすりつけてくる。ゆっくり眠れるようにとまぶたをおろしても、閉じることなく眼はこちらを追ってくるのが分かる。
昨夜からずっとそばについて、顔に手を当て、手を握り、お互いに温もりを感じながら、じっと横腹の動き、つまり呼吸の有無を見つめている。凄くゆっくりと、でも確かに、まるで深呼吸をするかのように動いている。
こいつとの出逢いは、1年ほど前、うちのグループホームの敷地内に突如現れた。いつものごとく、うちのホームの利用者さんが餌付けをしていた。とても警戒心が強く、なかなかなつかなかったことを覚えている。姿は、ヤマネコのように毛が長く、凛としていて、まるで最近まで誰かに飼われていたかのような井出達と振る舞いだった。一見野生の虎の様だということで「トラ」と名付けた。トラは時々敷地にやってきては、ホームの利用者さんたちに見守られながらご飯を食べ、時には近寄ってきて触れ合う事も出来るようになってきた。
そんな折、昨年の大分の夏祭りの夜、うちのグループホームの裏の民家の隅で、ぐったりと微動だにせずに倒れて息だけしているトラを発見した。いつもネコたちの面倒を見てもらっている「ひがし動物病院」の村上先生に慌てて連絡をして、夜間にもかかわらずすぐに治療をしてもらったが、ひどく黄疸が出ており、いつ死んでもおかしくない状態であると診断された。数日間におよぶ先生の懸命な治療の甲斐あって、奇跡的に元気を取り戻し、無事に退院することが出来た。そしてトラは我がホームの一員となった。
トラの警戒心は嘘のように消失していて、とても穏やかで天真爛漫で人懐っこく、声を掛けると必ず返事をしてくる。そんなトラがとても愛おしく、年齢不詳の彼との生活を楽しむ日々が続いた。
そんな日々が続く中、今年の2月末より徐々に食欲がなくなり、それに伴い元気もなくなっていった。精密検査をしたところ、『白血病』であることが告げられた。白血病…その病気が発症したら治ることはなく、死に至る病気だということであった。以前より黄疸の症状はあり、何かしらの病気が潜んでいる可能性はあったため、定期的に治療を行っていたのだが、白血病が他のネコに感染する病気だということもあり、他の保護ネコと隔離し、一人部屋での闘病生活が始まった。毎日のように通院し、少しでも食事が取れるようにといろいろなアドバイスを頂きながら、療養食などに切り替え試してみたが、やはり口から物を受け付けなくなり、点滴と注射だけが命を繋ぐ方法となった。前片足が機能しなくなり、手首が折れ曲がった状態でもトイレまでは自分の足で行くことが出来ていたのも、2週間前くらいから歩くこともままなくなり、とうとう動くことが出来なくなってしまった。それでもまだ小さいながらも声掛けに応ずるように返事をする姿は「共に生きたい」という強い思いの表れのようであった。時に一緒に寝、毎日点滴通院をし、とにかく…とにかく1日でも長く共に家族として暮らせる事だけを願った。どれだけ「もっと早くに出逢いたかった」と思ったことか…
しかし、5日前に頭皮の一部分の皮膚が裂けているのを発見し、それが背中の大半の部分にもあることがわかり、唯一の命を繋ぐ点滴も出来ない状態となってしまった。様態が急変し、入院となった一昨日、ずっと自分なりに考えていたことを掛かり付け医の村上先生に告げた。「先生、安楽死について教えていただけませんか?」と…口に出した瞬間から涙が止まらなかった。先生は優しく丁寧に教えてくれた。泣いて、悩んで、また泣いて…今もだが、どれだけの涙を流しただろうか…しかし、家族のトラに対する想いや死生観を聞き、考え抜いた末に『覚悟』を決めた。住み慣れた我がホームに連れて帰り、自分たちで点滴をして、可能な限り寄り添い、温もりを分かち合い、そして看取ろうと。今は裂けた傷口から点滴を入れようにも嫌がって入れさせてはくれない。でも、トラは生きようとしている。必死に…私たちと出逢った時の遅さや病気になった自分の運命を埋めるかのように…
トラ、我がホームにきて、優しさには出会えたかい?温もりには出会えたかい?安らぎには出会えたかい?今、トラは何を思うのだろうか…自分のお母さんの事?野や山を元気に走り回っていた時の事?私たち家族やホームの利用者さんと共に暮らした日々の事? こういった死に直面した時に気づかされることがある。愛情を注いだ分だけ、哀しみの大きさも同じだということに。いや、哀しみの大きさはそれ以上なのかもしれない…当たり前のことなのだろうが、それは動物に限らず人間も…しかし、哀しみ(悲しみ)をはるかに上回る「喜び」「楽しみ」「温もり」「安らぎ」そしてなによりも「愛」がある。それを総じて『幸せ』と呼ぶのだろう。
うちには沢山の保護ネコたちがいる。必然、病気や死にも、その数の多さの分だけ直面するだろう…現に今も猫エイズキャリアのネコも数匹いる。でも、きっと乗り越えられると信じている。そこに大きく、沢山の『幸せ』があるから。私たち家族やホームの利用者さん、そしてネコたちと共に…
“共に生きる”そう心に決めた。それをトラが改めて教えてくれたような気がしてならない。「家族」として共に過ごしたかけがえのない時間を決して忘れることは無いだろう。なぜならば、トラは一生、私たち家族、そしてホームの利用者さんの胸の中に生きづいていくのだから…今はただただ、安らかに穏やかに、天国に旅立つのを祈るばかり…
天国に旅立つ時、薔薇の花と、トラのお腹が空かないように、大好きだったキャットフードを沢山持たせるよ。もう一つだけトラにお願いがある…生まれ変わったら『トラ』また我がホームに来ておくれ。約束だよ。また逢えると信じているから、少し寂しいけど悲しまないでおくよ。

Dear トラ

令和元年5月3日 午後21時00分
我がホームの愛猫トラは天国に旅立ちました。